『バンカー』の最高の攻略方法は,
『バンカーに入れない』ことですが…
ピンを狙う以上,あるいは入れる気は全然なくても,
入ります.
グリーンよりバンカーの位置が低いところにあるので,仕方がないのです.
そして設計家がバンカーに入るように設計しているので,
あなたが悪いわけではありません.
それでもバンカーが嫌いで,ゴルフが嫌いになっていただいても困るので,
バンカーショットの際の考え方,
基本的なセットアップ方法(構え方),
練習方法や
ミスの原因を今回はお伝えしますので,
練習やコースで是非実践してください.
☆バンカーショットを打つ際の基本的な考え方☆
バンカーはハザードでも,「次のショットを打つことが出来るハザード」なのですが,
罰打がつかない『ありがたいハザード』と捉えて,感謝しましょう.
2,『ありがたいハザード』なので,一回で出ればなおラッキーです.
ピンに寄るのは,1と2を理解して『練習を重ねた結果』です
…ライによってはピンに寄せることがほぼ不可能な場合もあります.
なおさら脱出させることを最優先させて傷口を最小限でふさいでください.
☆バンカーショット(エクスプロージョン:爆発)の技術的なポイント☆
バンカーショットでは,ボールの手前を打ち,砂の爆発を利用してボールを脱出させます.
(注:フェアウェイ横にあるクロスバンカーや距離のあるバンカーショットのときは,距離を出す必要があるので,直接ボールにヘッドをクリーンに当てる場合もあります)
2.ボールの手前(5cm前後)を打つので,直接打つ場合の振り幅の2〜3倍の距離感のイメージで砂を打つ必要があります.
(例:バンカーから15ヤード打つためには,フェアウェイ上から50ヤードくらい飛ぶイメージで振る必要があります)
3.ボールのどの程度手前にヘッドが入るかによって距離が変わります.
ホームランのミスをするのは,ボールに直接当たってしまうからです.
逆にボールが全く飛ばないのはボールの手前を打ちすぎて,
エネルギーがボールに伝わっていないからです.
☆バンカー(エクスプロージョン)ショットの場合のセットアップの手順☆
フェースを開いてから,グリップします.
注:普通のグリップをしてから⇒フェースを開くのは間違いです.
既にフェースが普段よりも右に向いている状態にクラブを回してから,
普段どおりに握ります.

開いたフェースの(リーディング)エッジを目標に向けるように,自然にオープンスタンスに立ちます.
フェースを開く度合いやオープンスタンスの度合いは,
開けば開くほど,
ボールが飛ばなくなり,ヘッドが砂にもぐらなくなります.
(ヘッドの裏側のバウンスが効くという状態です)
逆に
閉じれば閉じるほど,ヘッドが砂にもぐりますので,
目玉のようにボールが砂に深く埋まった場合に使えます.
水泳の飛び込みをイメージしてください.
針のように表面積を減らせば,深く潜ります.
逆に表面積を大きくすれば,
爆発のエネルギー(水しぶきの量)が大きくなります.
3,ボールの手前を打つので,普段よりボールの位置を3〜5cm程度左へずらします.

注:普通どおりのセットアップしてから意図的にダフるのではなく,
ボール自体を左に動かして,普段どおり打つイメージです.
☆ただし,この文章末にも書いていますが,
女性ゴルファーの場合,スタンスをオープンにせず,いつものショットと同じように真っ直ぐ立ったほうが良い場合もあります.
(オープンスタンスだとうまくエネルギーが伝わらない場合があるのです.)
4,スタンスの向きどおりにテークバックします.

極端にアウトサイドに上げるようにせずに,
どちらかというと
『インサイドに引き過ぎないように』してください.

⇒インサイドに引きすぎるとヘッドが想定している位置よりも右(ダフる)に落ちてしまいやすく,エネルギーがボールに伝わらないので,距離が出せず⇒脱出に失敗してしまいます.
5,ボールの手前3〜5cmにヘッドを着地させて,バンカーから飛ばしたい距離の2〜3倍の振り幅で
『ヘッドを加速させたまま振りぬく』ようにしてください.

体重は『左足』に乗っているようにしてください.
すくい上げようとすると「右足に体重がかかる」ミスが出ます.
ここが「わかっているけれど,バンカーショットの一番難しいところ」ですね.
練習する際のポイントは,
ヘッドの落とす位置を線を引いて確認する.
(ヘッド落とし場所を変えながら打つと距離が変わることや出ない場所が自分なりに掴めるようになります)
2〜3倍の振り幅で振る
(バンカーで15ヤード飛ばしたいなら,FWから50ヤード飛ばすつもりで)
⇒そのためには前提条件として,普通の50ヤードがどれくらいの振り幅なのか,つかんでいる必要があります.
そして,
ゆるめない(減速させて…ボールを当てて終わりになること)
ことをイメージして,
バンカー練習場でボールを打ちながら練習するか,
砂に線を引いて,
狙った位置にヘッドを落とせるように線消しのドリルを繰り返すと上達します.
しかし,練習しても,
『脱出させることに集中して,次の長いパットをなんとかする』しかない状況
(ライが悪い,目玉や左足下がりの傾斜etc)
もあります.
そういうときは割り切って脱出させてからの2パットでセーブしましょう.
なんといってもありがたい「ハザード」なのですから.
☆ミスのパターン解析と対処方法☆

この写真は「右足体重」になっています.
ボールを高く上げたい気持ちが強いとすくあげようとしますが…ミスです.
体重が右に残っていると⇒ヘッドが想定している位置よりも右(ダフる)に落ちやすくなるミスが出て,ボールが全然飛ばないことになります.
つまり,
ボールが少ししか動かないときは
『ヘッドの落とす位置⇒重心のかけ方⇒振り幅が適正か?』
を確認してください.

次に、この写真は「体が目標方向へ突っ込んでしまっています」
このときホームラン(ボールに直接当たってトップする)のミスが出やすくなります.
対処方法としては,
左足に重心をかけることと体の軸を真っ直ぐに保つことをイメージしてください.
☆それでも,出ない場合☆
1,砂の硬さを感じるようにしてください.
想定しているよりも,
砂が硬いと…
フェースを開くとバウンスが跳ねて,ヘッドが砂にもぐらず,ホームランしやすくなります.
その際は,足の裏の感覚を頼りに,普段よりフェースの開き具合を少なめ
(場合によっては普段どおり構えるか,かぶせるときもあります)
逆に想定しているよりも
砂がサラサラでやわらかい場合,
さらに「思い切ってフェースを開いて,しっかりと振り切る」ようにしてください.
フェースの開く量が少ないと砂にヘッドがもぐってしまいます.
☆女性ゴルファーの場合☆
今まで散々,「フェースを開いて,ボールの手前を打つ」と書いてきましたが,
男性に比べて,ヘッドスピードが足らない女性の場合は,
真逆なのですが,
『フェースを開かず,ボールに直接当てる意識』でバンカーを打つほうが出やすくなる場合があります.
⇒このとき,結果的に少しだけボールの手前にヘッドが入り,しっかり振りぬけるためです.
※スタンスもオープンだけでなく,スクウェア(真っ直ぐ)立つのも試してみてください.
あるいは,AWやPWを使って打つことで距離が稼げます(ただし,球はSWに比べると低くなります)
このホームページを含めた書籍等のセオリーに縛られすぎずに思い切って振りぬいてください.
それでもやっぱり出ない時,
クラブを疑ってください.
バウンス角が小さいSWやAWはフェアウェイからはぴったりと地面に接地するので,
「打ちやすく好きだ」という方もいますが,
あまりにもローバウンス(8度や9度)だとバンカーショットが非常に難しくなります.
12〜14度くらいのバウンス角があるほうが良いと思います.
ロフト角も大きければ大きいほど…
つまり
58度や60度やあるいは70度の方が出やすいかというと
「実はそうでもなく」
脱出させるだけなら,
「54度から56度くらい」の方が打ちやすいこともあります.
練習してバンカーショットの技術が上がれば,
58度以上のクラブを使うことによって,
距離の短いバンカーショットを打つこともできるようになります.
以上を読んでいただいてもわからない,あるいは全然脱出できない場合は,
一発でバンカーから出るようになるまで責任を持ってレッスンさせていただきます.