(1)の話の続きです.
ゴルフには「平均の法則が働く」と中部銀次郎さんは著作「わかったと思うな−中部銀次郎ラストメッセージ」の中(p.204−205)で述べています.
「いつも90ぐらい叩く人がアウトで40が出た.するとインで50とか51を叩いてしまうわけです.逆にアウトのスコアが散々だったのに,インではいいスコアが出て,やはりいつものスコアでまわってくる.最初がいいと後が悪い.あるいは最初が悪いと後がいい.こうやってスコアというものは決まってしまう場合が多いんです.」
まさに「80の壁」に阻まれた私はこの状態だったわけです.決して意識的に油断しているわけではなく,ベストを尽くそうとしているにもかかわらず…
また,この「平均の法則」に類似したものを,スポーツ心理学的な立場から述べているものもありましたので,紹介したいと思います.
それは「コンフォートゾーン」と呼ばれるものです.
(comfort=快適)
児玉光雄さんは,著作「あなたのゴルフに奇跡をおこす〜秘密のメンタルノート〜」の中で(p.23−27),
「あなたの実力はあなたの『快感レベル』によってほぼ決定されるのです.(中略)これは私にとって出来すぎだと考えている以上,ゴルフのプレーをプログラミングしている脳は『出来すぎのスコアは不快』と考えるのです」
つまり,調子が良いときほど,いつもの自分との違いに戸惑ってしまうのです.
ではどうすればこのコンフォートゾーン(言い換えれば,自分の平均スコア)を抜け出すことができるのでしょうか?
児玉光雄さんはその方法についてこのように述べています.
「良いスコアで上がらなければならない不快な環境(例:自分の平均スコアが100で残りの3人がシングルプレーヤーのとき)に置かれると,良いスコアで上がる確率が高くなる」
私が大学2年生のとき
−まだようやく平均スコアが80台になったくらいのとき−
(当時私たちは3部リーグ)に,
試合に出たら,自分以外の同伴競技者2人が1部リーグのレギュラークラスだったときがありました.
その最初のハーフラウンドで,試合にもかかわらず
38 が出たのです!!!
当時の試合のハーフベストです.
あるショートホールでは3人ともバーディをとるという熱いラウンドができたのです.
残りの2人は36,37だったのですから,何とか下手さがばれずに済んだのです(笑)
しかし,後半45を打ち,予選落ち…その試合はカットラインが81だったのですごく
残念でした(「ここで平均の法則を発揮してしまうなんて…」)
長くなったので,今日はここで終わりにしたいと思います.次回は,どうすればこの
「平均の法則」と「コンフォートゾーン」を破ることができるのかについて書きたいと思います.
引用文献
中部銀次郎 2001 わかったと思うな−中部銀次郎ラストメッセージ ゴルフダイジェスト社
児玉光雄 2003 あなたのゴルフに奇跡をおこす〜秘密のメンタルノート〜 廣済堂文庫
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